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私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました預金保険法等の一部を改正する法律案につきまして、反対の立場から討論を行います。
いよいよ国民の信を問う総選挙が近づいてきました。前回総選挙から三年半、自民党政権により我が国はよくなったのか悪くなったのか。自民党は公約を果たしたのか破ったのか。我々は、まずそのことを国民に対し明らかにしたいと考えています。
この三年半でGDPは九兆円減少しました。GDP成長率はプラス三・〇%からマイナス〇・四%に落ち込みました。国と地方の長期債務は百九十六兆円、国債残高は百二十兆円も増加しました。完全失業者は五四%ふえました。個人の自己破産は一一七%増加しました。自殺者は四二%増加しました。殺人、強盗などの重要犯罪は三〇%増加しました。
前回総選挙の自民党の公約には、新しい時代に即応した活力ある経済社会を実現しますとか、将来への負担を軽減するため財政構造改革を推進しますとか、働きがいのある豊かな勤労者生活を実現しますとか、市民生活の安全に全力を尽くしますとか、耳に聞こえのよい公約ばかりが並んでいます。しかし、結果を見る限り、どれ一つとして公約は達成されていないではないですか。
一体、この三年半、自民党政権は何をやってきたのでしょうか。自民党政権には、政権担当能力が欠如していると言うほかありません。
本法律案もまた、その事実を雄弁に物語るものであります。
一昨年、我が国は金融危機に見舞われ、日本発の世界金融恐慌が危ぶまれるほどの深刻な事態に陥りました。その原因が、バブル崩壊により巨額の不良債権が発生したにもかかわらず、政府・自民党がその事実を隠ぺいし、問題を先送りしたことにあることは言うまでもありません。我々民主党が提案した金融再生法により金融危機は乗り切ることができましたが、六十兆円という巨額の授業料を用意したにもかかわらず、今なおその教訓が生かされたとは言いがたい状況にあります。これは、政府・自民党がまたしても問題を先送りしたからであります。政府・自民党は一体いつまで問題を先送りするのか。
国際的に公約していたペイオフの凍結を解除できないという事実は、金融不安がいまだに解消されていないことを如実に証明するものであります。政府・自民党の責任は極めて重大であり、政権担当能力が欠如していると言うほかありません。
以下、本法律案に反対する主な理由を述べます。
第一に、ペイオフ凍結解除を先送りすることは、金融不安の解消と金融システム改革そのものを先送りすることであります。
民主党・新緑風会は、二〇〇一年四月のペイオフ凍結解除という大原則は決して崩さず、その間に金融不安を一掃すべきであることを改めて強く申し上げます。
第二に、預金保険法改正前の一九九四、九五年の両年に破綻した東京都の三つの信用組合の破綻処理に伴う損失について、十分な議論もなく、国民に負担を押しつけることであります。
政界との癒着も取りざたされたイ・アイ・イ・グループが関与した東京協和信組と安全信組を含む三信組の破綻処理に伴う損失は、一千億円にも上るものであり、監督官庁である東京都との間で処理策が協議されてきました。しかし、東京都が負担を拒否するや、結局は国民に負担を押しつけることとしたのはいかにも安易と言わざるを得ません。
第三に、システミックリスクの際の例外的措置について、ルールがあいまいであり、裁量行政への逆戻りが懸念されることであります。
特に、二〇〇二年三月で廃止するペイオフコスト超の資金援助をシステミックリスクの際に認めることは、大銀行については事実上永遠にペイオフを実施しないことを意味します。
第四に、危機対応業務に対する財政措置を今後も続けることは、国民負担が際限なく膨らむことにつながるおそれがあるからであります。
国と地方の借金が六百四十五兆円にも達し、財政健全化の青写真を示すことが焦眉の課題であることを考えると、財政措置にはおのずと限界があります。どこかで歯どめをかけなければならないことは子供でもわかる理屈であります。
森総理は、口では思い切った改革をしていかなければならないと述べています。しかし、実際には、財政構造改革も先送り、金融システム改革も先送り、医療改革も先送り、警察改革も先送り、痛みを伴う改革はすべて先送りではありませんか。もし思い切った改革を本当に断行するというのなら、本法律案は直ちに撤回すべきでありますが、果たして森総理にそのような勇気があるでしょうか。
先日、経営破綻した東京相和銀行の長田前会長ら旧経営陣が銀行延命のための見せかけ増資の疑いで逮捕されました。東京相和銀行の債務超過額は一千億円を超えており、その穴埋めに充てられるのは言うまでもなく税金であります。長田会長は自民党政治家たちとの親密な関係が取りざたされており、その真相を究明し厳格に責任を追及することは国民に対する最低限の義務であります。東京相和銀行のみならず、この間、金融危機を招いた政治家や官僚、金融機関経営者の責任はほとんど問われていません。
一九三〇年代の米国では、金融犯罪の解明を目的として上院にペコラ委員会が設置され、多くの関係者が責任を問われました。また、八〇年代後半のS&L大量破綻の際にも金融機関経営者の責任が厳しく問われました。
金融危機を二度と起こさないためにも、この間の金融行政を総括しけじめをつけることが必要であります。民主党・新緑風会は、日本版ペコラ委員会とも言うべき金融問題監視院の設置を強く主張し、反対討論を終わります。(拍手)
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