○小川敏夫 |
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| 私は、民主党・新緑風会を代表して、政府提出の地方自治法の一部改正案、市町村の合併の特例に関する法律の一部改正案及び市町村の合併の特例等に関する法律案について質問いたします。 我々民主党は、地域のことは地域で決められる地域主権型社会の創造を目指して地方分権の推進を訴えてきました。地方の自立には、地方の自覚とともに、国から地方への権限と財源の移譲が不可欠であり、財源、権限を受け入れるための体制作りとして、民主党も住民や市町村の自主性を尊重しつつ、市町村合併を推進することを基本的考えとしていることを初めに申し上げます。そして、市町村合併を推進するに際しては、大胆な税源移譲と一括交付金制度の創設をセットで行うことを約束してきました。 それに対し、小泉内閣の地方分権改革は、税源移譲を先送りし、補助金と交付税総額カットを先行させた三位一体改革により地方を困窮の極みへと追いやり、合併特例債をえさにしゃにむに合併を促進しようとしています。 民主党は、去る三月五日、全国三千二百三十四の自治体に対し小泉内閣の三位一体改革に関する緊急アンケートを実施し、千八百六十の自治体から回答をいただきました。予算編成時期に大混乱、完膚なきまで打ちのめされた、基金の取崩しでしのぐほかないが基金が底をつけば予算編成は不可能、将来の財政計画が立てられない、住民に説明のしようがない、地方分権の名をかり地方を切り捨てたものなど、返ってきたコメントはこれまでの政府答弁とは大幅に乖離した厳しい内容のものでありました。小泉総理の国から地方への名ぜりふは全くの掛け声倒れであることが明らかです。 小泉内閣の地方分権は、三位一体改革にしても市町村合併にしても、ただただ地方への支出を抑え国の財政スリム化を図るだけのものであります。地方の自立どころか地方の破綻を推進しているようなものです。市町村は地方財政の将来不安と迫りくる合併特例法の期限に挟み打ちに遭い、行くも地獄、帰るも地獄の状態にあります。地方を追い詰めるばかりの小泉政権に、本当に地方分権を行う意思があるのかと疑わざるを得ません。 そもそも、なぜ市町村合併が必要なのか。自治体が合併の必要性を判断するための材料が明らかに欠如しています。 まず第一に、合併の理念が不明です。このような国と地方の関係を目指す、だから市町村合併が必要なのだというような肝心の地方分権の全体像、将来のビジョンが示されません。このままでは机上の数字だけで役人による日本全土の区画整理が行われ、歴史と文化と多様性を持った自治体がつぶされていくのではないかと危惧の念さえ抱きます。将来のビジョンを示した上で、自治体に合併の判断をゆだねるべきです。小泉内閣は日本をどのような国にしようと考え、そのためになぜ市町村合併を必要とするのか、総務大臣、総理に代わってはっきりお示しください。 欠如しているのは合併の理念だけではありません。地方財政の見通しもまた欠如しています。三位一体改革によって今後の地方財政が全く不透明な状況を作り出し、自治体の不安をあおって合併を促進するなど、余りにお粗末な手法であります。 麻生大臣は、二十六日の経済財政諮問会議において、今後の三位一体改革の進め方について、税源移譲額を先に提示し改革を進める提案をしたとのことです。改革に当たっては全体像を示すことがいかに大切かということを、地方の悲鳴に直面し、ようやく気が付いたのかと、リーダーとしての資質を疑わざるを得ません。 また、独自に編成した平成十六年度予算において既に五・五兆円の所得税から個人住民税への移譲を提案している我々民主党からすれば、今ごろになって税源移譲の目標値が出てくるとは、今年度の三位一体改革の数字は一体何であったのかと首をかしげざるを得ません。 麻生大臣に伺います。経済財政諮問会議において提案された麻生プランの税源移譲額、補助金削減額、交付税改革の見通しを御説明ください。また、財務省は、この案に対し相当強い反対姿勢を打ち出していると聞きます。財務大臣に麻生プランの評価を伺います。 ここで申し上げておきたいことは、総務省と財務省がいつまでも対立姿勢を崩さないようでは、地方分権が前進しないことはもちろん、両省の対立に振り回され、被害を被るのは地方自治体であるということです。このままでは、両省の綱引きによって予算編成期に地方を混乱に陥れた今年度の二の舞を踏むことになりかねません。このことを総務大臣及び財務大臣に強く申し上げておきます。 以下、三法案の内容に触れながら質問いたします。 合併新法では総務大臣が合併推進のための基本指針を策定するとされており、この指針には一万人未満という人口基準が盛り込まれる予定といいます。人口基準を法律に明記することに対する自治体からの反対で指針に書かれることになりましたが、総務省の裁量で作成される指針が将来、より厳しい数字に書き換えられる可能性は否定できません。基本指針の見直し及び人口基準の変更の可能性について、総務大臣お答えください。 また、現実に、一万人を超えずとも、合併せず自立する決意を固めている自治体が既に存在します。小さくても努力次第でやっていける、こう判断し、努力と工夫を重ねる自治体をつぶすようなことがあってはなりません。よもや今後、合併しない選択肢を取った自治体にばかり、交付税削減などの財政的ペナルティーを科すような卑劣な行為を取ることはないと信じますが、総務大臣に確認いたします。お答えください。 加えて、合併しない又は合併できない自治体における適正な住民サービスの確保のため、どのように仕組みを想定しているのか、近隣の自治体へ事務を委託するなど考えられますが、総務大臣、指針を、方針をお示しください。 続いて、知事の勧告権について質問します。 総務大臣が作成した基本方針に基づき、都道府県知事が市町村合併推進に関する構想を策定することが法律化されます。これまで、地域の実態を知らない中央の役人が地方の声を無視し、日本全国に無駄な公共事業を実施してきたことを思えば、中央官僚が机上で合併構想を練るよりは、地域の実情を知る知事が構想を策定する方がはるかにましと言えます。 しかし、この構想に基づき、知事は合併協議会に勧告、あっせん、調停を行うことができるとされているところには注意が必要です。強制合併への道を開くものではないかと危惧します。合併そのものに対する勧告権は与えられていないとしても、例えば協議会設置の勧告に従わない市町村長が現れたときにどのような対応が取られることになるのか、総務大臣お答えください。 次に、合併特例債に関して伺います。 合併特例債は、自治体の負担三割、国による交付税措置七割という、財政難の地方自治体にとって一見魅力的な地方債です。しかし、この地方債が後年度に与える影響の大きさを考えると、この地方債を制限なく発行することは将来世代に過大な負担を押し付けることにつながります。 我々は、合併特例債のような後年度負担が大きくなるような仕組みは縮小していくべきであると主張してきました。合併するすべての自治体が特例債を限度額まで発行したら財政をどれだけ圧迫することになるのか、政府は国民の前に明らかにすべきです。そしてまた、我々国政を預かる者が、どれだけの負担を将来世代に先送りすることになるのか、その数字を認識せずに現行法の延長を認めることは無責任のそしりを免れないものであります。 現在、合併協議会を設置している市町村の合併が順調に進むと千七百程度の市町村の数になると政府はこれまで答弁を繰り返してきました。数字を問います。合併協議会を設置している市町村の合併が順調に進んだと仮定して、合併特例債の発行額の上限は幾らとなるのでしょうか。麻生大臣お答えください。 次に、地方自治法改正案に関し、特に地方自治区について伺います。 この地方自治区の制度は、あえて今回の地方自治法の改正をせずとも、現在も条例により創設できるものです。例えば、今は自治区の長を選任とするのも互選とするのも地方の自由です。しかし、今回の法改正によって、認められるのは市町村長の選任だけとなります。既に全国に、名称こそ違えども、条例により地域自治区を設置している地域があり、それぞれの地域に合った運営を行っているというのに、わざわざ法律で定めて縛りを掛ける理由を麻生大臣お答えください。 条例により現在も設置が可能な地方自治区をわざわざ法律で定めようとしていることからも明らかなように、政府が考える住民自治はあくまでも上からの住民自治にすぎません。本当の意味での住民自治は、住民が主体となって活動していかなければなりません。そのためには、地域自治区においてもコミュニティーやNPOを積極的に活用できる環境作りを目指すべきであります。住民主体の地方自治及びNPO等の活用について、政府は何らかの施策を講じているのか、総務大臣、御説明ください。 続いて、都道府県合併について伺います。 今回の地方自治法の改正案では、道州制を視野に入れた都道府県合併の手続の整備がされようとしています。折しも、小泉総理は二十八次地方制度調査会に道州制の在り方について議論するよう諮問しています。他方では、北海道における道州制特区の検討が進められています。 道州制についての認識は、議員一人一人を取っても千差万別です。連邦制的な道州から単なる都道府県の広域連合まで考えられます。都道府県合併、二十八次地制調の道州制議論、北海道の道州制特区、小泉総理の理念なき丸投げにより、このままでは今後議論の錯綜を生ずるのではないかと懸念せざるを得ません。 麻生大臣に伺います。 小泉内閣の考える道州制とはどのような国の姿を想定しているのかをお答えください。あわせて、今国会法整備されようとしている都道府県合併、二十八次地制調の道州制議論、北海道の道州制特区、これらはどのような関係をもって議論されているのか、それぞれどのように作用し合うものなのか、お答えください。 また、それぞれ独立して検討されている議論を最終的にどのように集約させるつもりなのか、伺います。 終わりに、民主党は地方分権を推進すべきであると考え、その過程においては地方の自主性を損ねないことを前提にした上で、市町村合併を推進すべきであると考えています。 しかし、政府が進めるこの間の地方分権を見る限り、地方の自立、独自性、多様性といった地方分権における重要なキーワードが忘れ去られていることを認識せざるを得ません。掛け声ばかりの無責任小泉内閣に、これ以上地方分権改革を任せておくことはできません。今こそ、民主党が政権を担い、住民が主体となる地方分権改革を担うときであると最後に申し上げ、私の質問を終わります。 ○麻生太郎国務大臣 まず、市町村合併の必要性についてのお尋ねがあっております。 今後更に地域主権、地方分権というものを進めてまいるためには、市町村はこれまで以上に自立性の高い行政主体となることが必要と存じます。すなわち、教育、福祉といったサービスは住民自らが身近な市町村でおいて自ら処理できるようにしなければならないと存じます。このために、行財政基盤の強化というものは不可欠であり、町村合併を推進していくことが必要であると認識をいたしております。 次に、経済財政諮問会議に提出した三位一体プランに関する、につきましてのお尋ねがあっております。 今回の計画は、現在政府が進めております三位一体の改革を進めるに当たって、地方団体との信頼関係を確固たるものとし、地方が不安に思っていることにこたえるために取りまとめたものであります。 この計画のポイントは、本格的な税源移譲の規模を約三兆円といたしておりますが、内容は、住民税の所得割の一〇%を比例税率化するということを先行決定すること、二つ目に、地方の自由度の拡大を目指して三兆円の国庫補助負担金の改革を行うこと、三番目に、地域再生などを進めるためには平成十七年度には地方税、交付税等一般財源総額を前年度と同程度の水準を目指すことなどであります。 これらによって地方団体との信頼を確保しつつ、三位一体の改革を着実に進めてまいりたいと存じます。 次に、総務大臣の定める合併推進のための基本指針についてのお尋ねがありましたが、これは現時点ではまだ基本指針を策定しておりませんので、その見直しかどうかが必要かはちょっとお答えすることができません。しかしながら、既にいろいろ必要に応じていろいろ御意見もいただいておりますので、必要に応じて見直すことも考えられると存じます。 ただし、都道府県の構想の対象となります小規模な市町村の目安となりますおおむね一万人未満という数字につきましては、合併新法の五年の期間中に変更することは考えておりません。 次に、合併しない自治体について幾つかお尋ねがありました。 まず、合併しない自治体に対して、交付税を削減するといったペナルティーを科すということは考えておりません。 次に、合併しない自治体に対する住民サービスの確保についてでありますが、合併新法においても合併が困難な市町村というのがありますが、第二十七次地方制度調査会の答申を踏まえて、法令上義務付けられた一定の事務処理を都道府県に行わせる特例的制度の導入については、引き続き検討してまいりたいと存じます。 さらに、合併協議会の勧告に従わない市町村についてでお尋ねがありましたが、合併新法において都道府県知事が合併協議会設置の勧告を行った場合、市町村長は協議会設置について議会に付議することとし、また、議会が否決した場合に住民投票を行う道は開いております。しかし、勧告を受けた市町村に対して強制的に合併協議会を設置させることはありません。 次に、合併特例債の発行見込額についてのお尋ねがありました。 御存じのように、最終的にまだ合併市町村の総数が決まっておりませんので、合併特例債の発行総額の具体的な見込みについては分かりませんけれども、大まかに申し上げて、約、この十年間、合併後十年間で七兆ないし八兆円ぐらいと思っております。 次に、地域自治区についてのお尋ねがあっております。 今回の改正の意義は、地域自治区を創設する道を開くことではありませんで、広域化する市町村の区域内のより狭い区域で住民の意思を反映させる仕組みというものを地方自治制度上明確に位置付けるところにあります。 また、地域自治区の仕組みにつきましては、最大限条例にゆだね、各地方公共団体の判断が生かされるようにいたしております。 また、住民自治の環境作りについてのお話がありました。 正に御指摘のとおり、地域自治区は住民自治の拡充ということをするための手段でありまして、NPOや町内会始め様々な団体というものが既にありますので、そういう団体の参画を期待しているところでもあります。各市町村におきましてこの地域自治区の仕組みを活用していただいて、生き生きとした住民参加の執り行われますことを心から期待をいたしております。 最後に、道州制についてお尋ねがあっておりました。 今回提案をいたしております都道府県合併と道州制とは、区域の拡大という点では確かに共通しておりますが、道州制は単なる都道府県の合併ではなく、国と地方との役割分担の変更を含みます地方自治制度の大きな変革であると考えております。 また、北海道におけます道州特区構想は、将来の道州制を考える上でモデル的な取組として検討が進められているところでもあります。 道州制は国の在り方にも関連する事柄であり、大きな問題でもありまして、第二十八次地方制度調査会において精力的に議論が進められていくことを期待をいたしております。
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