参議院議長不信任案 発議者趣旨説明(2016年12月14日参議院本会議)

12月14日の参院本会議で年金カット法案が残念ながら可決成立してしまいました。小川敏夫は、それに先立って上程された伊達忠一参院議長不信任決議案の趣旨弁明を行い、伊達議長が参院選挙制度改革に関する改正公職選挙法の抜本的見直しを放置している責任を問いました。


民進党・新緑風会の小川敏夫です。ただいま議題となりました議長の不信任決議案について、会派を代表して、提案の趣旨を説明いたします。

まず、決議の案文を朗読いたします。
議長不信任決議案
本院は、議長伊達忠一君を信任しない。
右決議する。

以下、その趣旨を説明いたします。

伊達議長には、参議院を代表する議長としてのリーダーシップが足らないことを指摘しなければなりません。

思い出していただきたいのは、伊達議長が自民党の幹事長時代に発議し成立させた参議院選挙制度改革に関する改正公職選挙法です。その附則には、「平成31年に行われる参議院議員の通常選挙に向けて、参議院の在り方を踏まえて、選挙区間における議員一人当たりの人口の較差の是正等を考慮しつつ選挙制度の抜本的な見直しについて引き続き検討を行い、必ず結論を得るものとする。」と明記されています。

次に行われる参議院議員選挙は、平成31年に行われますが、参議院議員選挙を改正後の選挙制度で実施するためには、周知期間として少なくとも一年を要すると見る必要が考えられます。そうしますと、法で明記し国民に約束した選挙制度の抜本的見直しを行うことは、平成30年の通常国会中には法改正を行わなければなりません。我々が議論する時間は長くはないのです。

選挙制度の改正論議は、これまでも繰り返し議論してきたのですが、抜本的改正を見送り、先送りを繰り返してきたことが実態だったと言えます。前回改正された現行の制度も、自民党の消極的姿勢から、一部の増減にとどまるびほう策で終わっていたものです。こうした過去の経緯の反省を踏まえて、抜本改革を行うとの強い決意を持って、附則において、「選挙制度の抜本的な見直しについて引き続き検討を行い、必ず結論を得るものとする。」と明記して抜本的見直しを国民に約束したのです。

こうした状況を踏まえ、今こそ正真正銘の選挙制度の抜本的見直しを行わなければならないにもかかわらず、議長は見直しに向けた取組を進めようとせず、議長の下に設置するべき議論の場すら設けていません。このため、伊達議長就任後5か月を経、そして、今臨時国会の閉会日を迎えた今日まで、選挙制度の抜本的見直しを進める議論が全く行われていない有様であります。このままでは、伊達忠一君が自ら発議者となって必ず抜本的見直しの結論を得ると明記して成立させた法律を遵守することが困難な状況に陥ってしまいます。

参議院議員選挙制度は本院の喫緊の課題であり、国民注視の最重要課題であり、かつまた、選挙制度の在り方について、平成26年11月には最高裁判所から憲法違反状態にあるとの指摘を受けています。最高裁判決は、このように指摘しております。

参議院議員の選挙制度については、これまで、限られた総定数の枠内で、半数改選という憲法上の要請を踏まえて定められた偶数配分を前提に、都道府県を各選挙区の単位とする現行の選挙制度の仕組みの下で、人口の都市部への集中による都道府県間の人口較差の拡大に伴い、一部の選挙区の定数を増減する数次の改正がされてきたが、これらの改正の前後を通じて長期にわたり投票価値の大きな較差が維持されたまま推移してきた。しかしながら、国民の意思を適正に反映する選挙制度が民主政治の基盤であり、投票価値の平等が憲法上の要請であることや、さきに述べた国政の運営における参議院の役割等に照らせば、より適切な民意の反映が可能となるよう、従来の改正のように単に一部の選挙区の定数を増減するにとどまらず、国会において、都道府県を単位として各選挙区の定数を設定する現行の方式をしかるべき形に改めるなどの具体的な改正案の検討と集約が着実に進められ、できるだけ速やかに、現行の選挙制度の仕組み自体の見直しを内容とする立法的措置によって違憲の問題が生ずる前記の不平等状態が解消される必要があるというべきである。

そして、改正後の現行法により、本年七月に実施された参議院議員選挙について、各地において提訴された選挙無効を求める裁判についても、多数の高等裁判所の判断で違憲状態が指摘されております。

こうした状況下にあるにもかかわらず、参議院議員選挙制度の抜本的見直しに向けた議論をせず、議論の場を設けることもしないで放置している伊達議長の責任は重いと言わざるを得ません。今臨時国会の間、何もしないで抜本的見直しに向けた議論の場すら設けないで放置した伊達議長に、これ以上、その職を任せることはできません。

また、伊達議長は、報道された疑惑に対して、自ら積極的に説明する姿勢に欠けております。

以上、伊達忠一君が参議院議長としてふさわしくない理由を申し上げました。参議院に対する国民からの信頼を高めるためには早急な取組が必要であります。

議員皆様の本決議案への御賛同をお願い申し上げまして、提案理由の説明を終わります。