国有地売却・森友問題「新たなゴミは存在しない」その2

くい工事で、穴の中は見えないし、深い所の土は出てこない。

新たなゴミが発見されたという政府の説明について、試掘により3.8メートルの深さから「新たなごみ」が発見されたという点の虚偽性について前回指摘した。

今回は、9.9メートルのくい工事の過程で地中深くからのごみが確認されたという政府の説明の虚偽性について指摘する。

政府の説明は次のとおりだ。

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くい打ち工事説明図

 国交省が平成29年3月16日の参議院予算委員会調査に於いて議員に配布したくい打ち工事の説明図である。図を見ると、くい打ち部分の9.9メートルの深さの土を全部排出して空洞にした後にセメントを注入してくいを造成するものとされている。

しかし、この説明が間違いであることが後に判明した。

実際に行われた工事は以下のとおりであり、土を排出して中を空洞化するものではない。

【平成29年4月6日 参議院国土交通委員会 石井国交大臣答弁】

「今回はちょっと特殊な工法でございまして、何といいますか、プロペラの羽根の付いたようなドリルを地中に貫入していって、回転させながら貫入していくという工法でございます。ですから、その貫入の途中で、羽根を回転させながら貫入することによって地山の土を柔らかくし、そしてそこにセメントモルタルを入れて、地山の土とセメントのモルタルを一体化してくいを形成すると、こういう工法でございます。したがって、回転しながら貫入をし、またその棒を引き抜く段階において地中にあったごみが排出をされたということはございますが、全部排出するわけではございません。まあ、柔らかくしますからある程度出てくる、ごみもある程度出てきますけれども、全部ごみが取れるわけでもないということでございます。」

このくい工事は、くい打ちではなく正しくは柱状の改良体を構築する地盤改良工事である。その柱状の改良体を、ここでは「くい」と呼ばせて貰う。

このくい工事は、9.9メートルの深さまで掘進して土を柔らかくほぐした後、掘削機の先端からセメントミルクを注入し、そして撹拌しながら上に上がってくるという工法である。

その場合、土を柔らかくほぐすことにより容量が膨らみ、さらに、セメントミルクを注入してその分の容積が膨らむから、溢れ出てくる土がある。

政府の説明は、9.9メートルのくい工事で掘って出てきた土にごみが混入していたのを確認したというものであるが、土を掘り出して穴を開けたわけではないから穴の中の様子は確認できない。溢れ出てきた土は地表近くの土であるから、仮にその土にゴミが混入していたとしても地中深いところのゴミの存在を認める根拠にはならない。つまり、誰も深い所にあるというごみを見ていないし、確認も出来ないのである。

政府は、ごみを含んだ土の山があるので、くい工事から出たごみと確認したと説明する。

【平成29年3月7日 参議院予算委員会 国交省航空局長答弁】

「3月14日に現地確認を行っておりますけれども、9.9メートルのくい掘削工事の過程において発見された廃材、廃プラスチック等のごみを大量に含む土が広範なエリアに積み上がっていることを確認しております。」

「現地確認に当たりましては、工事関係者からのヒアリングにおきまして、くい掘削工事、9.9メートルの相当に深い層から廃材、廃プラスチック等のごみが出てきたとの報告がございました。」

しかし、積み上がっている土は地表を削って出た土のようであり、くい工事の排出土と確認できないし、排出された土としても浅い部分から溢れ出た土なので、深い所のごみを確認できたとは言えない。

くいの本数にごまかしがある。

政府は、くいを校舎予建築予定地に下記の図面のとおり、382本構築したと説明する。下図の青い部分の丸い印がくいである。

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3月14日に財務局担当者らが現地に赴いた時点ではくい工事は完了している。

その日の職員が撮影した写真が提出されている。その中で、最初に載せた2枚には、大きなくいが6本前後写っている。2枚は校舎予定地の南側東部分を写したものでほぼ同じ地点の写真である。

その後に、その他の校舎予定地部分を写した写真4枚を載せたが、そこにはくいは写っていないし、くい工事を行った痕跡も見当たらない。382本のくいを構築したというが、くいは6本前後しか見当たらない。

国は、くいの実数を数えていない。

【平成29年4月20日 参議院国土交通委員会 航空局長答弁】

「3月14日に現地確認をしたときには既にくい工事は終わっていたということでございまして、くいの本数につきましては先ほど申し上げましたように設計書で確認をしたということでございます。」

「3月14日につきましては、大阪航空局の職員は土地の全域を踏査をしておりますけれども、そのくいの本数を全て数えたかということについては確認ができておりません。」

くいの表面積がでたらめ

ごみの量の積算で政府は次のように説明する。

国有地の面積は、8770㎡である。その内、約60%に該たる土地部分5190㎡を対象区域としている。

対象区域の内、382本のくい打箇所の面積が303㎡で9.9メートルの深さ、残余の4887㎡については3.8メートルの深さの範囲でごみが混入しているとする。

写真から分かるように、くいは相当に太い。政府の説明では、直径1.3メートルが181本、1.6メートルが201本だという。

くい打箇所の合計面積を計算すると303㎡の倍以上の約644㎡になり、政府の説明は破綻している。くいは僅かしか無いのだ。

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国有地売却・森友問題「新たなゴミは存在しない」その1

新たなゴミが発見されたという理由で9億5600万円の土地が8億2200万円も値引きされ、1億3400万円で売却された。

しかし、新たなゴミを確認したという政府の説明は崩れた。

政府の説明は次のとおりだ。

【平成29年4月6日 参議院国土交通委員会 国交省航空局長答弁】

「工事関係者による試掘におきまして、3.8メートルの深さまで廃材等が存在していることが確認され、このことをメジャ-で3.8メートルを指し示している工事写真や、近畿財務局、大阪航空局職員の現地視察により確認した」

「この工事関係者から提供を受けた写真では、試掘抗におきましてごみの層の深さをメジャーで計測をし、3.8メートルを指し示している様子が確認できるということでございます」

そうした客観資料があるなら提出して説明すべきだが、政府は提出を拒んでいた。

【平成29年5月19日 衆議院国土交通委員会 石井国交大臣答弁】

「私は見ておりますけれども、この写真については、写真を提供している民間の事業者が慎重な態度を崩していないため、残念ながら、いまだ出せる状況にないということでございます。」

そうしたところ、平成29年8月22日の朝日新聞朝刊に、その写真であるとする写真が掲載された。

その後、民進党の要求に応じて、国交省は業者から提出を受けていた

資料として、21枚の写真付きの試掘調査範囲図を提出した。

それによれば、試掘箇所は8箇所で、3.8メートルまでの深さでごみが確認されたのは試掘番号1とされる1箇所だけで、その他は1.0メートルから2.7メートルまでの深さでしかない。

そうすると、1箇所だけ3.8メートルなのに、土地全体に3.8メートルのゴミがあると算定した航空局の計算はおかしい。

そして、試掘により3.8メートルの深さまでごみが確認されたという説明が虚偽であることが露呈した。

「3.8メートルの深さまで廃材等が存在していることが確認され、このことをメジャ-で3.8メートルを指し示している工事写真」と航空局が述べた写真が次の3枚である。

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No3の写真では、表示板に試掘の深さは3メートルとされ、No2の写真でも、メジャーは3メートルの深さを示している。

3メートルしか掘っていないのに3.8メートルの深さのゴミが確認出来るわけがない。

No1の写真は、メジャーの表示は4メートルを示しているが、メジャーの先端が見えないので確認できない。しかも、穴の中の状況は全く見通せないし、表示板の記載は読み取れない。いい加減過ぎるの一言に尽きる。

国交省は、No2の写真について、4メートルの穴の下部3メートルを撮影したものと強弁するが、その説明のようには見えない。

決定的な事実は、穴の内部を見通せるNo2番の写真からは、ごみは、穴の下部の2メートル部分には存在していないことである。

仮にNo2の写真が、国交省の説明のとおり4メートルの深さで試掘した穴の下部の3メートル部分だけを写したものとしても、ごみは、深さ2メートル部分より上にしか存在していない。

この写真からは、3.8メートルの深さで新たなごみがあることが確認出来るのではなく、反対に、2メートルを超える深さにはごみが存在しないことが確認できるのである。

この試掘箇所だけが3.8メートルの深さで、その他は2.7メートルまでだから、結局3.8メートルの深さまでゴミが発見された箇所は1箇所も無い。

このように都合の悪い写真だから、政府は提出を拒んでいたのだろう。提出を拒み続けることが困難になり提出したと思うが、深い所のごみが無かったことがより一層明確になった。

「新たなごみ」とは何か

新たに発見されたごみというが、古くからあるごみとは何か。

それは、平成22年に航空局が行っている埋設物調査により存在が確認或いは推定されている廃材、生活ごみを指す。

その古くからあるごみとは別に、さらに深い所から発見されたごみが新たなごみである。

【平成29年2月21日 衆議院財政金融委員会 財務省理財局長答弁】

「3月11日、(平成)28年でございますが、森友学園、この時点で、まさに森友学園は、借地契約中に学校の建設工事をやっている真っ最中でございます。その中に、森友学園から、今委員がおっしゃった、最初の埋設物とは別に、新たに深いところから埋設物が見つかりましたという報告を3月11日に受けたところでございます」

平成27年5月29日に森友学園と近畿財務局との間で締結された売買予約契約書31条の特約条項において、森友学園は、国による埋設物調査即ち「地下構造物状況調査業務報告書 平成22年1月」に記載の地下埋設物の存在等を了承した上で買い受けることが明記されている。

特に重要なことは、契約の前提となっている国有地の鑑定評価において、そうした判明済みの埋設物の存在を折り込み、その除去に要する費用を減算した上で国有地の鑑定評価額が9億2966万6000円と鑑定評価されていることであり、その鑑定評価額を根拠として貸付け契約の賃料が決定され、売買予約が本契約となる時の売買価格の前提とされていることである。

従って、地下埋設物の存在を理由に国有地の鑑定評価額を9億円超の従来鑑定額から引き下げるには、判明済みの埋設物とは別の新たな埋設物が必要になる。その埋設物が新たなゴミである。

政府は、その新たなごみが発見されたと言い張っているのであるが、その説明には誰も納得しないだろう。

国と業者の謀議が発覚

平成29年9月11日、関西テレビの報道ランナーにおいて、衝撃的な録音が公表された。国と業者サイドで、新たなごみがあるように話を合わせたと思われる会話だ。驚きの話だが、実際の事実経過はそうした謀議と符合しているのである。

国 「3メートルまで掘っていますと。土壌改良をやって、その下からごみが出てきたと理解している。その下にあるごみは国が知らなかった事実なので、そこはきっちりやる必要があるでしょというストーリーはイメージしているんです。」

業者「3メートルより下からは語弊があります。3メートルより下から出てきたかどうかは分からないですと伝えている。そういうふうに認識を統一した方がいいなら我々合わせるが、下から出てきたかどうかは、私の方から、あるいは工事した側から確定した情報として伝えていない。」

国 「資料を調整する中で、どういう整理をするのがいいのかご協議させて頂けるなら、そういう方向でお話し合いさせてもらえたらありがたい。」

業者「3メートルより上からの方がたくさん出てきている。3メートルの下からっていうのはそんなにたくさん出てきていない。」

国 「言い方としては、混在と、9メートルまでの範囲で。」

業者 「9メートルというのは分からないです。」

こうして次の写真のようにきれいな土地が、只同然とも言える価格で、安倍総理大臣夫人が名誉校長に就任する予定であった小学校の用地として森友学園に売却されてしまったのである。

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売却前の国有地の状況(平成22年地下構造物調査報告書より)