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政治家やその秘書が業者から依頼を受けて行政に口利きを行い、利益を受けた業者から寄付などの様々な名目や、裏金によって利益の提供を受けているという政官財の癒着構造は、国民の批判の的でありながら、いつまでもなくなりません。むしろ、最近では井上前参議院議長秘書事件、村上元労働大臣らによるKSD事件、或いは中尾元建設大臣や鈴木宗男衆議院議員のように、政府や党の要職にある者が次々と検挙されているように、日常的に広範に行われ、増加しているように思えます。
こうした汚職や口利きの撲滅のためには、地方の工事が中央官庁のひも付き補助金や交付金に依存しているため、議員が行政に口利きをする必要性が生じてしまうような現在の補助金行政を改革し、地方の事業は地方自身が必要性を検討して自主的に行えるようにするために、財政的裏付けのある地方分権を推進する方策や、工事の計画や発注等の行政をガラス張りにして議員による口利きをしにくくする情報公開制度の徹底などの根本的方策が必要ですが、それと共に、議員が口利きをして利益を得る行為を禁止して、違反した議員の刑事責任を問うこととするのも有効な方法であると考えられます。
このような考えから、あっせん利得禁止法を起案し、参議院に議員提案しました。その法案の内容は、国会議員及び秘書が行政に口利きをして特定の者に利益を与え、その報酬として謝礼を受け取ること、あるいはその約束を交わすことを禁止するものです。
秘書を処罰対象に加えたのは、議員が秘書を隠れみのに使うことが多いので、その抜け道をふさぐためです。
現行刑法の「あっせん収賄罪」の規定では、あっせんの見返りに何らかの報酬を得たとしても、「請託を受けた(依頼を受けた)」ことが立証されなければ罪にならないという(現実にはこの立証が極めて困難である)重大な欠陥があるので、その要件を外しました。
同様に刑法の「あっせん収賄罪」の規定では、賄賂を第三者に供与させた場合を処罰することが出来ません。あっせん利得禁止法では、第三者供賄も処罰の対象として、この点の抜け道も封じました。
このあっせん利得禁止法について、平成10年秋当時、私が民主党の倫理プロジェクトの担当者として、当時野党であった公明(当時平和改革)、自由党との間で共同提案をするべき協議を重ねました。そして基本的合意に達しましたが、提出寸前に自由党が自民党と与党協力してしまったことから、法案提出は見送らざるを得なくなりました。
翌11年初頭から、民主・公明・社民・参議院の会による新たな協力関係を築き、同年5月21日、4会派の共同提案として参議院に法案を提出しました(写真右)。当時は、参議院では野党の方が与党を上回っていましたので、4党共同提案のこの法案が参議院だけでも可決される可能性があったのですが、法案提出直後、今度は公明が自民党に急接近し、事実上の自自公体制がスタートしたため、法案は審議されないまま棚ざらしにされてしまいました。
国民が期待するあっせん利得禁止法案を自自公が潰してしまったのですが、自自公も世論の強い批判を懸念したようで、平成12年に入って自自公は、世論対策上、自らの手であっせん利得禁止法を提案してきました。
ところが、この法案は、犯罪の構成要件に請託を加えたり、第三者供賄の禁止を明記しないなど「あっせん収賄」の抜け道をそのまま温存した上、あっせん行為の処罰対象を契約の締結と行政処分に限定したり、あっせんの報酬を要求したり約束しただけでは処罰されないものとしているもので、言うならば、なるべく検挙されないような内容となっていました。
要するに世論対策上、自らの手であっせん利得禁止法を成立させた形式を整えるためだけの法律案であって、実際に自分たち議員が検挙されるような法律はつくりたくないということなのです。
私は、国会における法案の質疑において、与党のそうした本質を追及し続けましたが、結局は数の力で押し切られてしまい、与党案が成立しました。
その結果、誰も捕まらないだろうというあっせん利得禁止法という名称の法律が現在施行されています。
私を始め民主党は一丸となって、こうした与党のぎまん行為を叫弾し、前述の4党共同提案に至った内容の実効性のあるあっせん利得禁止法の成立に向けて、努力を継続しています。
平成15年1月7日 小川敏夫
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