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りそな銀行に対する1兆9600億円の資本注入は、政府与党が進めてきた金融行政の失敗を如実に表すものです。
今から5年前、平成10年の夏は、旧長銀が実質上破綻していながら、このような大型銀行の破綻に対処する法整備がなかったため、政府は大慌てで法案作りの作業に取りかかっていました。しかし、政府与党が練り上げたブリッジバンク構想は、旧長銀のような大型銀行の破綻には向かないスキームでした。こうして政府与党が的確な対応策を講じられない間、旧長銀は死に体のまま生かされ続け、傷を広げてしまう事態を招いていたのです。
こうした状況の中で、私は民主党の対策チームの一員として対応策を練り、破綻銀行の一時国有化等を内容とする金融再生法案の立案に加わりました。
この金融再生法案が政府与党案より現実に対処できる有効なスキームでしたので、結局、政府与党がこの民主党案に丸乗りして、金融再生法が成立し施行されました。そして、法の施行を待っていた旧長銀がその適用第1号の破綻処理銀行となり、その後旧日債銀も破綻処理され、それぞれ新生銀行、あおぞら銀行として再生され、現在健全な経営を継続しています。
平成10年の金融危機では、こうした破綻行の処理だけではなく、過大な不良債権を抱え破綻寸前の銀行や自己資本が過小となって業務に支障が生じるおそれが出ている銀行を破綻に至らせずして再建をする方策が求められました。
それは結局、国が銀行に対し資本注入することになるのですが、民主党は経営責任の明確化と経営システム改善の徹底及び厳格な資産評価による不良債権処理の徹底を引き換えにする強制注入方式を最適な方策と考え、私も参加して金融健全化法案を立案しましたが、政府与党は、銀行経営者の甘えた希望を優先し、そうした抜本処理を求めないまま、銀行に対する資本注入を行ってしまったのです。
平成11年春、りそな銀行の全身の大和銀行とあさひ銀行に、それぞれ4,080億円と5,000億円の資本注入が実施されました。そのわずか1年前の平成10年3月には、金融安定化法に基づいて、両行にそれぞれ1,000億円づつを資本注入し、このような銀行の経営改善をもたらさなかったという失敗をしておきながら、資本注入を繰り返したのです。
不良債権処理や経営改善策をないがしろにしたままの資本注入であったため、政府が不良債権問題を解消すると約束した平成13年春までには、不良債権問題が解決せず、むしろ不良債権は増加したと言われています。そして、銀行が立ち直らないために貸し渋りや株価の下落が止まらず、日本経済に深刻な悪影響を及ぼしました。
そして、結局、今回のりそな銀行に対する資本注入の事態を迎えてしまいました。今回政府は、経営者の交代を求め、不良債権処理の徹底を訴えていますが、民主党は、5年前にそれを訴えていたのです。
こうした政府のうやむやな資本注入により、私達の税金が無駄に使われてしまった上、銀行経営の抜本改善を5年も遅らせてしまい、日本経済に大きな傷を残してしまいました。
小泉自民党は、りそな銀行の経営者を交代させましたが、同時に自らもその責任を取って交代すべきではないでしょうか。
もし、5年前に民主党の金融健全化政策が実現していたならば、今は既にうみを出し切って右肩上がりの景気に立ち直っていたのであろうことを思いますと、本当に残念でむなしい5年であったと痛感します。
平成15年7月2日 小川敏夫
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